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口唇ヘルペスに効く新しい治療薬ファムビル

2019年10月23日
危険なウィルス

ファムビルは、ファムシクロビルを有効成分とするヘルペス治療薬です。日本においては、2008年に帯状疱疹への治療が、2013年には口唇ヘルペスなどの単純疱疹への治療が認められた比較的新しい治療薬です。日本でファムビルが承認される以前は、ヘルペス治療ではゾビラックスとバルトレックスの2つの選択肢しかありませんでした。しかし、ファムビルの使用が認められたことにより、ヘルペス治療における新たな選択肢として注目を集めています。

有効成分であるファムシクロビルの効能は、ヘルペスウイルスの増殖を阻害することです。ファムシクロビルは体内に吸収されると、ヘルペスウイルス感染部位に存在するチミジンキナーゼによってリン酸化されて、ペンシクロビルという成分へと変化します。ヘルペスウイルスが増殖するには、デオキシグアノシン3リン酸という成分を取り込む必要がありますが、ペンシクロビルはデオキシグアノシン3リン酸と非常に似た構造をしています。酷似した構造を見分けられないヘルペスウイルスは、デオキシグアノシン3リン酸と間違えてペンシクロビルを取り込んでしまうため、正常な増殖ができなくなるのです。なお、感染部位以外ではペンシクロビルのリン酸化は起こらないため、正常な細胞への影響はほぼありません。

また、ファムシクロビルからペンシクロビルへの変化は速やかに行われるため、ファムビルはゾビラックスやバルトレックスと比較して、即効性に優れるというメリットがあります。特に、発症の初期段階から服用を開始すれば、ヘルペスウイルスの増殖を効率的に阻害できるため、症状の悪化を招くことなく早期での回復が期待できます。口唇ヘルペスの治療でファムビルを服用する場合は、ファムシクロビルとして1回250mgを1日3回服用するのが基本です。一般的な症状に対しては原則として5日間服用を続けますが、初感染時の重い症状に対しては5日間よりも長く服用しなければいけないケースもあるため、服用期間に関しては医師の指示に従いましょう。また、再発を繰り返している人に対しては、1回1000mgを2回だけ服用する方法が提案されることもあります。

ファムビルは、比較的副作用が少ない安全な治療薬と言われていますが、頭痛や眠気といった症状や、下痢や吐き気、腹痛といった消化器系の症状が現れることがあります。また、肝機能障害がある方は、血液内のファムシクロビルの濃度が高い状態が続いて、重篤な副作用が現れることがあるため、服用を避けるか医師の指示に従って服用しましょう。

ヘルペスウイルスに対して高い治療効果や即効性に優れたファムビルですが、価格が高いというデメリットがあります。しかし、ファムビルの有効成分であるファムシクロビルは2017年に特許が切れたため、ファムシクロビル錠やビロビルといったジェネリック医薬品が販売されています。ジェネリック医薬品は安価であるものの、先発薬であるファムビルと同等の効能と安全性があるため、安心して服用可能です。したがって、金銭的な負担が心配な場合は、ファムシクロビル錠やビロビルといったジェネリック医薬品を検討してみてはいかがでしょうか。